
僕は、それまで遊んでいた友人のS君と別れ、家へ帰る田んぼ道を歩いていました。4時半過ぎ、そろそろ夕暮れです。田んぼ道は交通量も少なく見通しのよい直線。僕は道の左側を歩いていました。しばらく歩いていて気が付きました。「道路を歩くときは、右側を歩くんだったな」道路を横断しようと後ろを振り返った瞬間、トラックが目の前に
と、ここで目が覚めました。小学校1年生の時の交通事故の記憶です。S君と別れてから、道ばたに倒れているのを抱き起こされる間の記憶-はねられる瞬間の記憶がつい最近まで、全くありませんでした。唐突に、夢で思い出したのです。夢ですから、きっとこうだったのだろう、という、僕の作り出した記憶を夢として見たのかもしれませんが、夢から覚めたときは汗をかいていました。
「きっと、こうだったのだろう」という夢、結構見ます。ノンフィクション・脚本オレってヤツ。交通事故のヤツは本当の記憶なのかもしれませんが、実際に自分が見ていない、聞いただけの事実を、夢で見てしまいます。その中には、楽しいこともあるし、悲しいこともあります。この夢のタチの悪いことは、夢から覚めても「あー、夢でよかった」とホッとする事が無いという点。楽しいことならいいけれど、悲しいことはいやですよ。